「部分床義歯(部分入れ歯)」の種類と利点・欠点 抜歯やインプラントしかないと宣告された歯でも「残して活かす」入れ歯治療
「部分床義歯(部分入れ歯)」の種類と利点・欠点
(パーシャルデンチャーとも呼ばれる。)
部分床義歯とは歯が何本か残っている場合に残っている歯を支えとする構造を持った義歯のことです。
部分床義歯にはレジン床総義歯と金属床総義歯の二種類があります。
「部分床義歯(部分入れ歯)」の種類
(上記各義歯にシリコン義歯、コンフォート義歯が可能)
レジン床義歯 ・ 金属床義歯
メタルクラスプデンチャー
(キャストクラスプデンチャー・ワイヤークラスプデンチャー)
金属のばねを歯にかけることで義歯を支える構造の義歯。健康保険で作ることが出来る唯一の義歯です。
ばねをそれぞれの歯に合わせて鋳造して作ったものをキャストクラスプ、義歯専用の針金を歯に合わせてまげて合わせて作ったものがワイヤークラスプと呼ばれます。
利点費用が他の義歯に比べ安く製作可能です。
欠点金属のばねが見えてしまいます。金属のばねは歯を揺すってしまい、義歯を支えている歯の寿命を短くします。
テレスコープデンチャー
ドイツで残っている歯を守るために開発された義歯で、特殊な技術を要するために日本では一部の歯科医院でしか行われていません。義歯を支える歯を削り、歯に金属の筒状の冠をかぶせ、義歯にはそれにピッタリ合う金属冠を取り付けて二重の冠により義歯を支える構造のドイツ式の義歯です。
お茶の缶にふたをかぶせるように二つの冠がしっかりとはまり込むことで義歯が安定します。
利点義歯の安定に優れます。夜寝る時も入れたままで過ごせます。バネの義歯に比べ義歯を支える歯の数を増やせ、残っている歯に対する力の負担を少なくできます。他人から義歯を入れていると気づかれにくいです。修理をしながら長期間使用することが出来ます。
欠点義歯を支える歯を削らなければなりません。製作するには特別な技術が必要で、どこの歯科医院でも作れるわけではありません。
テレスコープデンチャーには、以下のような種類があります。
コーヌスクローネデンチャー
テレスコープデンチャーの一種で、二重の冠の摩擦により義歯を支える構造です。
リーゲルテレスコープデンチャー
テレスコープデンチャーの一種で、二重の冠を固定するために鍵(レバー)がついているもの。
その他各種テレスコープデンチャー
総義歯の分類の中で紹介したレジリエンツテレスコープデンチャーや、義歯の支えの歯の構造を白いセラミックの歯で作成する構造のものもある。その他を含め太田歯科医院ではドイツのテレスコープデンチャーは6種類をお口の中の状況に合わせて選択しています。
オーバーデンチャー
状態の悪い歯を出来るだけ抜かずに残すために考えられた義歯で、歯をまず短く削って根の部分だけを残します。削った根の上に義歯を支える金属などを装着して、その上に義歯を乗せる構造のものです。前述した各種義歯に補助的な構造として使用します。
利点通常だと抜歯する歯を残して入れ歯を作ることが可能です。
欠点残した根の上に義歯がかぶさるため、新鮮な唾液に触れにくく、清掃を良くしないと虫歯になりやすくなります。
インプラントオーバーデンチャー
手術で骨に金属のチタン製のネジ(インプラント)を入れ、ネジの上に義歯を乗せて支える構造の義歯です。
インプラントだけで義歯を支えるのではなく、残っている歯も義歯の支えとする場合もあります。テレスコープデンチャーでも支えとする歯の負担を減らす目的で、インプラントを追加する方法を選ぶこともあります。
利点インプラント手術を行うことが出来れば、残っている歯に負担をかけずに入れ歯を作ることが可能です。
入れ歯を入れていることは他人から気づかれにくい入れ歯です。
欠点インプラント手術が必要です。高齢者の場合は将来炎症を起こした時の再手術のリスクを考えておかなければなりません。
マグネットデンチャー
義歯の板の部分に磁石を埋め込み、残っている歯の根の上、または手術で骨に金属のチタン製のネジを入れたインプラントの上に磁石にくっつくステンレスの部品を取り付け、磁石の磁力で義歯を安定させる方法です。
利点金属のばねがなく審美的です。
欠点医療用のMRI検査の際に、撮影に悪影響が出る可能性があります。磁石に常に引っ張られるために、残っている根が動揺してくる場合もあります。
ノンクラスプデンチャー
金属のクラスプの代わりに、歯肉の色のプラスチックのばねがついています。材質の違いや一部構造の違いによって下記のような色々な名前の義歯があります。
利点他人から義歯を入れていることがわかりにくい義歯です。ほとんどの場合は歯を削ることもなく、数回で義歯を完成することが可能です。
欠点バネがプラスチックで出来ているために、義歯の設計によっては義歯の安定が悪い場合があります。経年変化により緩くなると、修正が困難な場合が多いと言われていますが太田歯科医院ではこの問題は解決しております。義歯を支えているバネが歯を揺することによる歯への負担が大きい義歯です。
ノンクラスプデンチャーの種類:
エステショット
バルプラスト
スマートデンチャー
ビューティーデンチャー
フレキサイトデンチャー
ハッピーデンチャー
ハッピーデウェルデントンチャー
ルシトーン
ナチュラルデンチャー
スマイルデンチャー
カルデント
(種類が多く、材料や技工所によってそれぞれ特徴がありますが、基本的にはバネが歯肉色で目立たない入れ歯です。修理のしやすさや硬さの違いがあります。)
各種アタッチメントデンチャー
義歯を支える歯に冠を被せるなどして、義歯との連結装置(アタッチメント)を取り付ける義歯です。
磁石を用いたものはマグネットオーバーデンチャーの所に説明を記載しております。その他に既製品の連結装置を用いた義歯がありますが、
利点他人から義歯を入れていることに気づかれにくい義歯です。既製品の連結装置を使用する場合、テレスコープ義歯に比べて製作技術が容易です。
欠点既製品の連結装置の構造が弱く、使用していくうちにゆるみが出て義歯の安定が悪くなりやすいです。この義歯は太田歯科医院ではお勧めしておりません。
という方はこちら
簡単オンライン
《無料》相談申し込み
当院の「義歯・入れ歯治療」について
無料ご相談・お問い合わせ
- 03-3943-8109
- 受付時間/9:30~17:30
※診療は予約制です
診療時間
- 月・火・金
- 9:30-12:00
- 14:30-17:30
- 水
- 9:30-12:00
- 土曜
- 9:30-12:00
- 14:30-16:30
- 休診
- 木曜、水曜午後、日曜、祝日