「総義歯（総入れ歯）」の種類と利点・欠点　抜歯やインプラントしかないと宣告された歯でも「残して活かす」入れ歯治療

通常義歯の粘膜に当たる部分の板は固いプラスチックで出来ていますが、プラスチックの厚さの半分ほどにシリコン材料を貼り付けて作った義歯です。使用中の義歯を削ってシリコンを貼り付ける方法もあります。

義歯の入る粘膜の下の骨が出っ張っているなどでどうしても固い入れ歯では痛みが治まらない場合に使用されます。

利点義歯の粘膜に触れる部分が柔らかいシリコンで出来ているため、どうしても痛みが治まらない場合は改善出来る可能性があります。

欠点シリコンは時間と共に固くなってくることと、材料によってははがれやすいために、定期的にシリコンの貼り直しが必要となります。

シリコン義歯の材料の中の一種類です。株式会社バイテック・グローバル・ジャパンが提供している材料を用いたシリコン義歯の名称で、シリコン義歯の中では耐久性に優れ剥がれにくいのが特徴です。

総義歯の構造は同じですが、義歯の板の部分のプラスチックの製法の精密さと歯のかみ合わせにこだわった、イボクラ・ビバデント株式会社が提供する総義歯作成システムです。

利点製作方法がシステム化され、義歯の品質が安定しやすいです。義歯が精密で噛み合わせの設定も学問的にルール化したシステムです。

透明なプラスチックを義歯の板の部分に用いた総義歯です。

歯肉が透けて見えることで、自分の歯肉の色が見えるのが特徴です。

まず歯を短く削って根の部分だけを残します。削った根の上に義歯を支える構造の金属などを装着して、その上に義歯を乗せたものです。通常の歯の頭の部分も残す方法に比べ、歯の根の上の部分の長さが短いため残っている歯に対する力の負担を減らせます。残っている歯の本数が少ない場合や、残っている歯を支える骨の量が少ない場合に用います。

利点上顎の場合、数本の歯の歯冠（歯の根より上の部分）を残したばねのついた義歯は不安定になりやすいのですが、根だけを残したオーバーデンチャーの場合は吸着し安定が良くなります。

欠点残した根の上に義歯がかぶさるため、新鮮な唾液に触れにくく、清掃を良くしないと虫歯になりやすくなります。

通常の総義歯は歯肉で噛む力を支えますが、インプラントオーバーデンチャーは手術で骨に金属のチタン製のネジ（インプラント）を入れ、ネジの上に義歯を乗せる構造です。

利点義歯の力が粘膜にかからず骨に直接かかるので入れ歯の痛みに悩まされることが少ないと言えます。

欠点インプラント手術が必要です。高齢者の場合は将来炎症を起こした時の再手術のリスクを考えておかなければなりません。

総義歯の板の部分に磁石を埋め込み、残っている歯の根の上、または手術で骨に金属のチタン製のネジを入れたインプラントの上に磁石にくっつくステンレスの部品を取り付け、磁石の磁力で義歯を安定させる方法です。

利点数本しか歯が残っていない場合は、バネのついた入れ歯よりも安定が良い可能性があります。金属のばねがなく審美的です。

欠点医療用のMRI検査の際に、撮影に悪影響が出る可能性があります。磁石に常に引っ張られるために、残っている根が動揺してくる場合もあります。

歯が3本以下残っている場合に適応するテレスコープ義歯の一種で、歯に金属の筒状の冠をかぶせ、義歯にはそれにピッタリ合う金属冠を取り付けて二重の冠により義歯を支える構造のドイツ式の義歯です。

利点バネのついた入れ歯よりも安定が良い可能性があります。金属のばねがなく審美的です。マグネットデンチャーや他のオーバーデンチャーに比べると残っている歯が移動しにくいと言えます。

欠点治療する際に特別な知識が必要で、歯科医が噛み合わせの適切な調整が行う技術を持っていないと歯に対する負担が大きくなってしまうことがあります。

歯が残っている場合やインプラント手術を行えば、それぞれの金属の種類に対して、オーバーデンチャー、インプラントオーバーデンチャー、マグネットデンチャー、レジリエンツテレスコープデンチャーが製作可能です。